■サラミッドの彼らは、各階層ごとにある風景の、 あのままの天候しか知らないのだと思っています。 だから、コロッケたちにサラミッドを消滅させられた 彼らが 現世に実体化してから一番最初にしたことは、 空を見上げたまま、何時間もそうして雲の動きや 陽の変化を 見つめていたのだと。 そして言うのです。 「…キレイだ」、と。 少ない彼らの語彙で、思わず呟くのです。 時に陽が大地を照らし、 時に雲が空を包み、 時に雨が惜しみなく 降り注ぐ、この地で これから、ゴーストとしてではなく バンカーとして、 生きていくんだと、決意を抱くのです。 |